平成28年4月16日(土)から平成29年2月25日(土)まで
琉球新報にて ~心の扉を開いたら~ に田中理事長の記事が定期掲載されました。
その記事をご紹介します。
第1回 平成28年4月16日(土)
「障がいの悩み共有を」
沖縄県手をつなぐ育成会理事長 田中寛
「知的障がいは、どんな特性があるのですか?」以前、病院の先生から尋ねられたことがあります。
「医者なのに?」と思われる方もいるかもしれませんが、質問は無理のないことです。
「知的障がい」という言葉は、学校教育や福祉的な用語で医学用語では「精神遅滞」と別の呼び方をするからです。
さらに、知的障がいは高齢化に伴い統合失調型障害や妄想性障害を発症することもあるように精神疾患の分類に入ります。
広汎性発達障害に含まれる自閉症の人の中には、知的な障がいが合併されている場合もあります。
知的障がいは発達期(18歳未満)に生じることや、その原因の約20%は染色体の異常など先天障がいであることは判明しています。
一方で、残り約80%の原因は明らかでなく、法的な定義も存在しないために、本人の体調管理をはじめとして育児・修学・就業さらに親亡き後の老後問題など不安は尽きません。
その不安を抱えた知的障がい児がいる3人の母親が、わが子の幸せを願い、教育・福祉・就労などの施策の充実を求めて、1952年に育成会を設立しました。
その小さな組織が、64年経過した現在、47都道府県と8政令都市で55団体会員約20万人の全国手をつなぐ育成会連合会となりました。
そして、知的障がいのある人とその家族が生まれ育った地域での豊かで安心な社会生活の実現のために、家族の立場から検討・研究し、政府や行政機関などに参加するなどの活動を通し、権利擁護と政策提言、さらには共生社会の実現を目指して運動を推進しています。
私たち県手をつなぐ育成会は約1500人の会員で構成されています。
わが子の障がいを告知された時の両親の衝撃、相談相手もいない状況の育児で悩み、就学時にいじめや学業への不安で日々眠れぬ夜を過ごした経験は、私たち障がい者保護者の誰もが過ごしてきた道です。
誰にでも訪れる老後の身体的な衰えを考えれば、障がいとの取り組みは、全ての人が通る道なのかもしれません。
今月から第4土曜に知的を中心とした障がい問題を寄稿します。
もし今、悩んでいる方がいれば気軽に私たちに掛けて下さい。
あなたは決して一人ではありませんよ。
第2回 平成28年5月28日(土)
「娘を囲みつながる絆」
沖縄県手をつなぐ育成会理事長 田中寛
「この障がい児は、3歳まで生きられない」。
初めて我が子の誕生に歓喜し、親の責任と充実感に満ちていた生後3カ月検診において医者に勧告された言葉です。
「間違いであってほしい」という願いと、「もし事実ならば・・・」という不安にさいなまれながら東京の大学病院で2度、娘の検査受診をしました。老化が早く、他の疾患を併発する場合は短命もあり得る「ダウン症」との診断結果を認めずにはいられませんでした。
追い打ちをかけた「我が家の血筋に、こんな子はいない」との両親の実家からの冷酷な言葉。「男の子だったら酒を酌み交わしたい」。
「わが子に対する思いの深さ」や「期待や希望」を、障がい児と認めた瞬間に手放さねばならない夫婦の不安や失望感は、経験者でなければ理解できないかもしれません。
世間の目を気にする故に、人間関係でストレスが発生。
わが子の障がいを職場や知人に伝えきれない父親は、周囲の理解を得られずに仕事などの量も減らず、母親の育児依存量が増え、疲労や不満が原因の亀裂が生まれます。
大半は夫の離婚を言い出すケースが多いようです。
実際に苦悩する母親の姿を目にする機会も多く、「障がい児を授かった夫婦の離婚率は高い」という説も否定できません。
その反面、大きく変化する家庭環境や精神的負担、家事への荷重に苦しみながらも必死で取り組んでいる母親の負担や悩みを父親が共有し、力を合わせて明るく豊かな家庭を築く夫婦があるのも事実です。
母親として愛情を持って献身的に務めてくれる今の妻の影響で長女は明るく素直に成長しました。
そして長女からたくさんの愛情と優しさなどの恩恵を受けるうちに、「障がいのある子は、自分を迎えてくれる家族を選び、家族に幸せを与えるために誕生しているのかもしれない」と思えるようにさえなりました。
また、同じ境遇である障がい者家族との交流や育成会の活動が大きな支えや励ましとなり、法や制度などの新たな情報を得ることによって娘の将来に備えることもできるようになりました。
今、我が家は次女、長男家族を加えた大きな「絆」の中で、温かな「家族愛」に満ちており、常にその中心にいる42際のダウン症の長女の存在に感謝の思いでいっぱいです。
◆3回目以降はPDFファイルでの掲載になります。
第3回 平成28年6月25日(土)
「きょうだいで差付けないで」
第4回 平成28年7月23日(土)
「障がいは個性?」
第5回 平成28年8月27日(土)
「殺されて良い命はない」
※7月26日未明に障害者支援施設「神奈川県立津久井やまゆり園」で起きた悲惨な事件にコメントした記事になります。
第6回 平成28年9月24日(土)
「障がい者の触れ合いを」
※お知らせです。
10月2日(土)に、沖縄市民会館にて「第21回沖縄県手をつなぐ育成会文化祭り」が開催されます。
開場が午後12時30分となっており、県内各地より21団体が参加します。
おきなわ工房は1番目の出演となっていますので、皆さん会場で声援をよろしくお願いします。
また、10月15日(土)には、沖縄県総合運動公園陸上競技場にて「第25回沖縄県ゆうあいスポーツ大会」も開催されます。
第7回 平成28年10月29日(土)
「障がい者のスポーツ大会」
※10月22日~24日岩手県で開催された「2016希望郷いわて大会」のこと等が掲載されていますので、是非ご覧下さい。
第8回 平成28年11月26日(土)
「全ての人に住みやすい街を」
※共生社会を考えるいいきっかけになると思いますので、是非ご覧下さい。
第9回 平成28年12月24日(土)
「特性に沿った支援を」
※障がいのある方の差別意識排除や、異なる障がい特性に対する認識等が記載されていますので是非ご覧下さい。
第10回 平成29年1月28日(土)
「障がいの子へ健やかな未来へ」
※JICA(独立行政法人国際協力機構)の研修生受け入れのことや、全国手をつなぐ育成会、自身の子育ての経験談等が掲載されていますので、是非ご覧ください。
第11回 平成29年2月25日(土)
「社会全体で権利擁護を」
※3月4日に宜野湾市民会館で開催される「第50回沖縄県知的障がい者教育・福祉・就労大会」の案内もありますので、ぜひご覧下さい。